なんでんの併用軌道区間
なんでんには昭和63年まで西野町〜新座町間に併用軌道が存在していた。市街地の中を自動車に混ざり南宮電車が走り抜ける風景は印象的だった。この併用軌道は、黒野軌道が大正15年11月29日に開業させた区間で、全区間単線で旧国道の中央に敷設されていた。また区間内に4つの停留場があった。 |
|
停 留 所 名 |
西野町 |
にしのちょう |
東陽町 |
とうようちょう |
市役所前 |
しやくしょまえ |
新座町 |
しんざまち |
|
|
|
各停留所は終点の新座町を除き、乗降客用の安全地帯が設けられているスタイルだった。新座町は低いホームにホーム上屋が設けらたスタイルをしていた。
西野町から新座町にかけては玉名市の中心街であったため、モータリゼーションの普及にともない自動車の交通量が多くなり、道幅が狭い国道は日常的に渋滞気味であった。このため早くから市街地を迂回するパイパス(新国道)が建設されていたが、それでも交通量に変化はなかった。
このため南宮電気鉄道では、この区間の列車の安全運行および定時運転が難しくなったこと、今後の車両の大型化などを検討した結果、昭和63年6月1日をもって西野町〜新座町間の併用軌道区間を廃止することとなった。
|
|
|
|
在りし日の併用軌道をゆく |
|
|
仲ノ町を出た電車は、旧街道に沿って走りやがて直川を渡る。直川を渡ると併用軌道区間の始まりでもある旧街道と旧国道が交差する西野町交差点にさしかかる。踏切警報機が鳴るなかを南宮電車が交差点を走り抜け、最初の停留所「西野町」に到着する。西野町停留所は道路中央に乗降客用の安全地帯が設けられているタイプで、終点の新座町を除く他の停留所もだいたい同じスタイルであった。
西野町を出発した列車は道幅の狭い国道上をゆっくりとした速度で進み「東陽町」「市役所前」と停車。市役所前は文字通り、玉名市の市役所がある。
←
西野町〜東陽町間を走る1000系電車。18m級電車が併用軌道区間を走る姿は壮観であった。
|
新座町は玉名市の中心繁華街である。停留所の先は新座町交差点でここを中心に繁華街が広がっている。停留所は低ホームの1面で上屋が設置されている。列車の発着線は1線で到着した列車はしばし休息した後折り返していく。
ここ新座町には南宮電気鉄道の本社ビルが新座町交差点に面してあり、1階では切符の販売が行われており、待合室も設置されている。
新座町で出発待ちをする510系電車の「温泉電車」西別所ゆき。
|
|
|
|
|
|